地雷部-Log

地雷部(@jira1bu_777)ブログ班による部の活動記録です!

#地雷部Log Vol.7 半シーズンを終えて、王来編を語りたい。

お久しぶりです。OMOchiです。
いったい何ヶ月ぶりの記事かも覚えてませんが、ようやくひと仕事終えたため筆を取った次第です。これからも華々しいライターの数々と共に、地雷部-logをご愛読たまわりますよう宜しくお願い致します。

 

◆最初に


さて、いきなりですが皆さん。
『王来編』、最高の商品じゃないですか?

特定のカードに関する様々な話題が尽きない今シーズンですが、今までのデュエル・マスターズの中で最高の商品にして最高のシーズンだと僕は考えており、まだ王来編が始まっておよそ半年しか経っていないにも関わらず語りたいことが山ほどあるので、一旦この場をお借りして共有させていただきます。
また、本記事を通して、皆様がもっと今のデュエル・マスターズを好きになる事が出来れば幸いです。

◆『超獣王来烈伝』の登場

               DMSP-02 デュエル・マスターズTCG 超獣王来烈伝
これまでデュエルマスターズの商品はカップ麺やレトルトパウチ、ピザボックスを模したパッケージやドギラゴン/ドキンダムガチャなどの様々な方法で我々に衝撃を与えて来ましたが、僕が今までの中で最も衝撃を受けた商品は後にも先にもこれだけです。

DMD-34 DXデュエガチャデッキ 銀刃の勇者 ドギラゴンDMD-29 革命スタート・デッキ 勝太の疾風速攻DMSD-01 NEWヒーローデッキ ジョーのジョーカーズDMSD-04 ジョーカーズ・弾銃炸裂・スタートデッキ

 

発売当初は様々に物議を醸した、『1年間を通して物語の主軸となる商品』
これは導入として最高の商品だと考えていて、各種ニ●アサ番組が1年間に及ぶ本編を通して使用するアイテムを展開することで、アイテムの購入者自身が主人公などの登場人物に自身を重ねて世界観へと惹き込まれるように、超獣王来烈伝もまた、購入者自身が数あるカードゲームの中でも特にデュエル・マスターズ、とりわけ『王来編』という世界観に惹き込まれることで、より一層デュエマを楽しむ為の重要なファクターとなったでしょう。

そもそもデュエル・マスターズ松本大先生が生み出した広大な世界観を、WotCが逆転性を強くした激しくアツかりしカードゲームへと落とし込んだ事から始まりました(コロコロコミック掲載「デュエルマスターズ誕生秘話」参照)。
それが時が進むにつれて世界観を紐解くよりカードゲームとしての側面が重視されるようになり、大会の結果にばかり目が向きがちな昨今(この方法もカードゲームである以上は楽しみ方のひとつとして捉えられるものの)
「『デュエル・マスターズ』として楽しむには些かコンテンツの良さを最大限に活用出来ていないのではないか?」
という疑念が浮かび上がった人も少なからず居るのではないでしょうか。

それが今回の超獣王来烈伝の登場により、王来編としての背景ストーリーや世界観を楽しみつつも、カードゲームとしてデッキの組み方や対戦を楽しむ、『デュエル・マスターズ』がそのタイトルを関する意味を再認識する良いきっかけを産み出したように思います。

ここに、超獣王来烈伝の楽しみ方の一例となる動画シリーズを記載します。
VSジェンドルるシリーズ

youtube.com

掲載許可を下さったカジュアるデュエマGAMEsさん、改めて感謝申しあげます。


◆禁時王がもたらした、たった一つの功罪

 

さて、先のコラムで沢山背景ストーリーの重要性について触れたにも関わらず、王来編が舞台にするのは過去19年分+今までに及ぶ背景ストーリー(無論、全部という訳では無い)。
いきなり全部を理解しろというにはあまりに敷居が高過ぎる、何かこれまでのあらすじを簡潔にまとめてくれて、それさえ抑えれば何となく話が理解できるような、そんな都合の良いものが···
          

ありました。《禁時混成王 ドキンダンテⅩⅩⅡ》君です。
彼が齎した12の災い、これこそが背景ストーリー(以下、超獣世界)で起きたほぼ全てのイベントを網羅してくれています。ここで、彼が起こした災いがどの背景ストーリーに該当するのか振り返ってみましょう。念の為、ここでは背景ストーリーで起きた時系列順に並べておきます。

〜ドキンダンテで学ぶ、これまでの災い(ざっくり)〜
① オーロラ爆誕&クソデカ爆発、サバイバー復活
謎のオーロラが出現&爆発。この衝撃で地底からサバイバー(地下生物みたいなもん)が復活し、各文明が窮地に陥る。この爆発の正体は不明なので今でも考察が続く。

② 水文明の12のプログラム
水文明に封印されているヤバい12個のプログラム。
サバイバーと闘う折に水文明が2つ解放して、2人の戦士をめちゃくちゃ進化させた。
ちなみに全部解放するとスパコンが熱暴走してリキッドピープルが全員蒸発する。

③進化クロスギアの暴走
進化クロスギア(魔改造版古代兵器、全部で5つある)が暴走して災害が多発
全部衝突すると次元の裂け目《ユニバース・ゲート》が産まれるが、全員過剰暴走して1つの生物みたいになった

④アナスタシスとサナトスの衝突
何やかんやでユニバース・ゲートから出てきた《超新星ブラックホール・サナトス》と《超新星ビッグバン・アナスタシス》が最終決戦の果てに光になって対消滅
その光はサバイバーの封印が解けるほど。

⑤ブラックモナークイデアフェニックスの復活
ブラックモナーク(闇文明の大親分)とイデアフェニックス(フェニックスの大親分)が復活(本来は登場すらしない)。
全員死ぬ。

⑥─シデンはシーザーに負けた─、超銀河弾 hellの弾痕が次元の穴を作る
《超聖龍紫電・ギャラクシー》と《暗黒皇グレイテストシーザー》の武闘会の違う結末(本編では紫電が勝利)。
超銀河弾 hellは弾痕が次元に穴が空くくらい高すぎる火力を持つ。
9000個も空いたのはhellの効果で破壊できるクリーチャーのパワー合計に由来

⑦オリジナルハート復活
本来はシーザーの撃ったhellが次元を繋ぎ、古代生物『オリジン』と、その中枢となる『オリジナルハート』が復活することになる(その後爆破され、爆心地が超次元ホールとなる)。
今回は七王の円卓から復活した。

⑧フィオナの森消失
自然文明にある生命力の強い森。
今までにこれほど災害が起きたため、3~4回は消失しても可笑しくないだろう。

⑨─リュウセイはプリンを救えなかった─
超次元ホールの奥底、パンドラスペースから命からがら逃げてきたプリン姫を救うのがリュウセイの役目だが、それが出来なかった未来(本来は成功)。
救えないと次元単位で死人が出る。

⑩ ゼニス誕生
矛盾した思念の集合体がゼニスとして産まれる。
その例がゼロと全文明の矛盾によりゼニスになったバラギアラ。
無感情なので破壊も厭わない。

⑪ ワールドウォーゼニス開戦
プリンを窮地に追いやった主犯格の『アンノウン』の親玉、『ゼニス』が無数の三角錐(トライストーン)と一緒に襲来した日。
次元単位での死人が出る。

-------------本来は舞台はパラレル世界へ行くが、今回は同時に発生-------------------

⑫ ドキンダム覚醒
ドキンダムが目覚め、世界中が封印される。
多くの死人が出る

⑬ 禁断爆発
ドルマゲドン(なんか凄いバケモン)が目覚める。
世界が滅亡の危機に晒される

⑭ 闇の七王
他の文明を侵食して征服することを望む、7人の闇文明の王。
七王の円卓で主に作戦を決定する(バケモンの怨霊が憑いてる)
征服の過程で死人が出るし、水質・大気・土壌汚染もなされる

⑮ バラギアラ
闇文明による汚染活動にブチ切れたミノガミが呼んだ自然災害の概念そのもの。
当然多数の死人が出る

 


いかがでしたでしょうか。
まだ触れられていない箇所もあるものの、『これさえ抑えておけば、大体のイベントは理解出来る』という、アニバーサリーもの特有の過去設定に触れる際に一番適したツールを彼が一身に担ってくれたおかげで、昔からシリーズを追いかけてきたファンへのファンサービスと、新しく始めた人へのあらすじ説明を同時にこなすという荒技が出来、素晴らしいとしか言い様がありません(超獣世界の耐久性については考慮しないものとする)。


◆我々の世界における王来編

 

では、背景ストーリーの重要性を一通り語った上で、今度はカードゲームとしての側面に目を向けてみましょう。
記憶に新しいところで言えば《Disノメノン》《Disジルコン》《S・S・S》等の取り回しが良く比較的廉価な3色のカードの登場や、《天災 デドダム》《熊四駆 ベアシガラ》《煉獄の悪魔龍 フォーエバー・オカルト》等の"特定の需要"が高止まりしたカードの再録。《【聞け】チームウェイブを救いたい【マニフェスト】》《スクリーム・チャージャー》といった、既存の構築の良さを崩さずにデッキの底力を上げるカードの登場により、「何を採用しても強い」という風潮が本シーズンにより強まりました。
この風潮はとても喜ばしい事だと考えており、こういった論説が流れる前は一部のカードのみに強い需要が発生し、それ以外のカードがユーザーの心から離れ、酷い時は忘れ去られる現象が多々発生してしまいました。
それが今シーズンで産まれたカードの溢れんばかりのパワー。
エンジンを構成するパーツそのものが刷新されたことによる出力の底上げ。
これにより、そこそこ無茶なコンボやコンセプトでも『ある程度、なんとかなる』という理屈が通ってしまうため、採用するカードの自由度を上げる事が出来ました。
これにより特定のカードのみを求める風潮が変わり、カードゲームの醍醐味である『自分の信じた切り札と共に闘う』という楽しさが再び舞い戻る良い機会になったと感じます。

 

◆20thレア(タイアップ版)がもたらしたもの

 

今シーズンから登場した20thレアカードは、普段なら特殊パックで行うコロコロコミックとのタイアップ企画、や「20」の意匠を散りばめた人気カードの特殊イラストでの収録、豪華クリエイターとのコラボなどの魅力的な点が多いですが、その中でも私が着目したのは、そのカードの枠のデザインです。
        

このようにカードの周りを装飾を施した金の枠で囲い、時に金の線をあしらったデザイン、何処かで見た事ありませんか?
        

デジャブの正体は新章DMから追加された、マスターレアカードでしょう。
そもそもマスターレアカードは、切札ジョーが生み出したジョリー・ザ・ジョニーとマスター契約をし、以降は彼自身の切り札として使役する事に始まりました。
これを踏まえて考えると、20thレアカードの装飾はマスターレアカードと似通っているものの詳細は異なるもの、つまり「数多の超獣世界の平行世界である、我々の世界のキングマスターカード」だと考えられないでしょうか。
そのように考えてみると、カード1枚に対する愛情が深まり、益々楽しさが増すと思います。
  

偶然かどうかはいざ知らずとも、《"罰怒"ブランド》もマスター版と20th版が有るので、まずは彼から使役ごっこを始めてみてはいかがでしょうか。

 

◆突然の美少女化と、その恩恵


⚠このコラムはライターの主観が強くなります。あくまでも話半分に捉えて頂けると幸いです。⚠


20thレアカードの数ある特徴に、豪華クリエイターとのコラボカードを挙げましたが、その中でも一際目を引いたのは《偽りの王 ヴィルヘルム》《水上第九院 シャコガイル》《奇天烈 シャッフ》等の美少女化でしょう。
発表当初は様々に意見が飛び交ったものの、結果として『画になりやすい』被写体が増えたことによって様々な二次創作物が産まれました。

これだけでもデュエマ熱を高めて周囲の人を熱狂に巻き込むには十分な貢献ですが、それだけではない利点を私は感じました。
それは『カードの性能を、より好意的に捉える事』に成功したことです。
これまでに20thレアカードで美少女化したカードを列挙すると、《奇天烈 シャッフ》はそのコスト不相応に強力な呪文禁止能力から、数年前から今までずっと殿堂カード候補に名を連ねるカードとして、《偽りの王 ヴィルヘルム》は1枚でゲームを変えかねない程の効果から、《水上第九院 シャコガイル》はゲームをプレイヤー1人で完結させかねない能力から、不満の声も目立つカードでした。
しかしそれが先述したマスターカードのような装飾と美少女の肉体を手にした時、それまでのネガティブな印象が和らぎ愛着を持てるようになったことで、これまでよりもポジティブに捉えられるようになる切っ掛けを作ったと思います。
例えば、《偽りの王 ヴィルヘルム》。
       
登場しただけでゲームを優勢に運べ、逆転の機運を掴める。それ故にショップでの取り扱い価格も衰退の兆しを見せないこのカードですが、主に使用されてきたのはランダム性の高い《ミステリー・キューブ》《ホーガン・ブラスター》からの踏み倒し。
これを加味してキャラ付けすると、彼女は「対価を支払い強く願えば、すぐさま駆けつけてくれる最高の悪魔にして、最凶のヒーロー」
そして、相手はヴィルヘルムの脅威を乗り越えた暁には悪魔を打ち倒した者としての称号が与えられるでしょう。
この捉え方は一例でしかないものの、対戦相手との没入感を高める楽しみ方が生まれるでしょう。

       

また、イラストレーターとの関連性も踏まえて好意的に捉えるという遊び方もあります。
その例として《奇天烈 シャッフ》をあげると、

先述した呪文の禁止効果が『予言』、つまり一種の『超能力』であり、イラストレーターが椎名高志であることから3人のエスパーとお目付け役の天才科学者による名作コメディアクション漫画『絶対可憐チルドレン』の延長線上と捉えれば、
「超能力者と共に、相手を倒すアクションアニメ(つまりは絶チルの世界観そのもの)でお目付け役として一緒に闘う」という意味合いが生まれ、当時彼女らの活躍に心を踊らせた人にとっては興奮ものでしょう。
また、このカードと対峙した際に見事打ち倒せれば、ヴィランのような愉悦に浸ることも出来るので使う側にも使われる側にも良い意味が産まれます。

 

最後に《水上第九院 シャコガイル》を例に挙げますが、これを好意的に捉えるために僕はシャコガイルのモチーフとなった『オオシャコガイ』の生態に、彼女のキャラを当て嵌めました。以下に、その一部を掲載いたします。

 

オオシャコガイは太平洋からインド洋の暖かい海に生息し、一度住処となるサンゴ礁を決定するとそこから離れずに生涯を過ごす。
また、安全な生息域や光合成の機会と引き換えに自身と共生した藻の糖分やタンパク質を代謝して成長し、水管を使って海水を吸引しプランクトンを食べる。
(出典:ナショナルジオグラフィック 日本語版サイト 一部改編)

これを踏まえてシャコガイルを見直した時、私は
        
「扱い方はプレイヤーへの依存度が高いが、一度場に出た暁には安全な勝利が約束され、プレイヤーはその強力な効果に共依存する。つまり、
シャコガイルを全力で護りきるようにすれば、2人の深いおもいあい(重い愛、想いあい)により勝利への栄光へと導かれる」
というストーリーを見出し、より一層愛着が強まりました。

 (編集:より分かりやすく素敵な漫画があったので添えておきます!併せて是非!)


また、"吸引して""タンパク質を代謝する"点から考えて·······失礼しました。

ここまで多くの例を挙げましたが、いかがでしたでしょうか。
ここで記載したものについては一例でしかないものの、キャラ付けによってカードに改めて向き合えるだけでなく、カードに様々な思いを馳せる事が容易になる。これもまた、本シーズンの美少女化がもたらした恩恵であり、醍醐味と言えるかもしれません。

 

◆最後に


さて、長々と本シーズンの魅力について語らせて戴きましたが、まだまだシーズンも半分を終えたばかり。単純計算でもう半年は今まで語った事と同じ衝撃が続きます。
そしてその片鱗はいずれ発売される《禁断竜王 Vol-Val-8》にも···
       
これからのデュエル・マスターズとその可能性に胸が高鳴ってやみません。
今回はこの辺にして、また何時か何処かでお会いしましょう。

カモン、王来!デュエル・マスターズ!!


(Writer:OMOchi)