地雷部-Log

地雷部(@jira1bu_777)ブログ班による部の活動記録です!

#地雷部Log Vol.5(後編)突き詰めろ!デュエマの可能性!~Q.有限で最も大きいクリーチャーのパワーは幾つか?~

■前回の記事

 

jiraibu-log.hatenablog.com

 

 

 

 

■前書き&デッキリスト

今回は、前編の記事を読んで、読者から想定される疑問や、そもそもどういった仕組みでパワーが増えていっているのかを解説していく。

まず初めに 改めてデッキリストをココにて載せておく。

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ダイナモについて

 

ここで、一部の読者なら少し首をかしげるかもしれない

《力持ちのジェロン》の存在である。
まず、ダイナモの能力をここでおさらいしておこう。
ダイナモ(バトルが始まる時、あるいはこのクリーチャーで攻撃できる時、このクリーチャーをタップしてもよい。そうした場合、そのターンの終わりまで、このクリーチャーのパワーと能力をバトルゾーンにある自分の他のダイナモ1体に加える)」

こういう記述である。
「つまりタップすれば、パワーと能力をダイナモ・クリーチャーに譲渡できるため、
ダイナモを譲渡する役としてはパワーがいちばん大きいクリーチャーが一番最適なのではないか?」
一部の読者はこう思っただろう。

しかし、デュエマ巨大数の世界はゆうにその次元を超えてしまっているのだ。

有限パワーの計算は、その巨大さゆえに近似値で表す。

5000だろうが5500だろうが5656だろうが等しく5000と表す。

つまり、馬鹿デカい数字を扱う都合上、上の1桁~2桁が重要なので、下の桁になるような小さいパワーの増減は勘定に入れられないということである。

そういうわけで、大きく桁が跳ね上がるようなカードやギミックを導入しない限りはもう本来のクリーチャーのパワーを参照するという時代はとうに過ぎている。これは《力持ちのジェロン》ではない他のカードにも言えることである。

 

 

■手順と各ギミック解説

youtu.be


ここで、動画を踏まえながら手順をもう一度おさらいしよう。

(編集注:カードの詳細は前回の記事をご確認ください。)

⓪.場に《起源神 レプトン》《魔龍バベルギヌス》以外のクリーチャーを全て並べ、山札に《魔龍バベルギヌス》、《起源神 レプトン》、《ビックリ・イリュージョン》の順で山札を固定。

①.ターン開始時に《激天下!シャチホコカイザー》、《竜のフレアエッグ》の効果を処理。山札の上から《魔龍 バベルギヌス》を出し、《竜のフレアエッグ》を自壊。
《魔龍バベルギヌス》の効果を処理。《不敗のダイハード・リュウセイ》を破壊してリアニメイト
《激天下!シャチホコカイザー》の効果を処理し、《竜のフレア・エッグ》を蘇生。

②.ドローフェイズに《起源神 エレクトロン》の効果を処理、2枚を引き、《ビックリ・イリュージョン》を捨てる。この時《龍装艦 チェンジザ》4体分の効果を処理。《ビックリ・イリュージョン》を4回唱え、種族は「ダイナモ」、「ジョーカーズ」、「ティラノ・ドレイク」、「ゴッド・ノヴァOMG」を宣言

③.《力持ちのジェロン》のダイナモの効果を、先に《真実の皇帝 アドレナリン・マックス》、《伝説の決闘者》に付与。

④.次に、ダイナモ効果を《爆竜凰 ドラギリアス》《名も無き神人類》《アアルカイト <ペガサ.Star>》《聖霊イカズチ》《偽りの名 ゾルゲ》を優先的にダイナモを付与しながらクリーチャー全てに最大数でダイナモを分け合う。

⑤.最後のダイナモ能力でタップする際に《グリージー・ファブノーレ》の能力で《起源神 レプトン》を出し、その時に「中央G・リンク360」を持っている各クリーチャーの効果を処理。各クリーチャーはそれぞれ《起源神 ニュートロン》か《神核 アトム》を宣言し、リンクして剥がす。という挙動を繰り返し、ダイナモで付与したテキストをさらに増やす。

⑥.任意のクリーチャーで攻撃し、《アアルカイト <ペガサ.Star>》の攻撃時効果を解決し、《聖霊イカズチ》と《偽りの名 ゾルゲ》の効果を誘発。バトルによってダイナモを誘発しながらアンタップし、パワーを増やす。

⑦.《不敗のダイハード・リュウセイ》の効果でシールドを全て割り、そのままダイレクトアタック。ゲーム終了

 

今回の検証においてパワーが跳ね上がる原因となったのは大きく分けると、この四つである。

1.ダイナモ能力と《爆竜凰 ドラギリアス》による二倍能力の増加「ドラギリアス爆発」

2.↑のメカニズムに《真実の皇帝 アドレナリン・マックス》と《伝説の決闘者》を横に入れることで起こる不具合「伝説・アドレナリン爆発」

3.「第二のダイナモ」、G・リンクのつけ外しによるテキスト増殖バグ「名も無き爆発」

4.今回の主役である《アアルカイト〈ペガサ.Star〉》を使い、《偽りの名 ゾルゲ》(《空域の守護者 ブインビー》)、《聖霊イカズチ》のそれぞれのcipをコピーし爆発を起こすペガサ.Star事件「ゾルゲ・ブインビー爆発」

これらすべてがどういったメカニズムでパワーを10↑↑↑↑(10^10^71)たらしめたのか、最初の爆発から解説していくとする。

 

1.「ドラギリアス爆発」

さて、上述した通り、ダイナモという能力は「ダイナモ種族を持つクリーチャーに、能力とパワーを譲渡する」というものであり、ダイナモでないクリーチャーには譲渡することができない。
結論から言うと、皆がご存じであろうこの「ドラギリアス爆発」はドラギリアスの「ティラノ・ドレイクのパワーを2倍する」という能力をダイナモによって「記述ごと」増やす方法だ。

種族付与なら《ビックリ・イリュージョン》が最適だが、《ドラギリアス》の二倍対象は「ティラノ・ドレイク」という種族のみである。
一回手打ちして「だいなも!」とお行儀よく宣言して呪文を墓地において終わり、では只々他の人に謎の能力を押し付ける一般ティラノ・ドレイクが誕生するだけである。

しかし、我々はパワーカードである《龍装艦 チェンジザ》を4枚投入することにより手札から《ビックリ・イリュージョン》を手札から捨てることさえできれば、4回唱えられるようになった。

というわけで《起源神 エレクトロン》の効果でターンの最初のドローの代わりに2枚引いて《ビックリ・イリュージョン》を捨て《チェンジザ》艦隊で「ダイナモ」、「ティラノ・ドレイク」「ゴッド・ノヴァOMG(理由は後程)」「ジョーカーズ(GRにジョラゴン、ジョギラゴンがいるため)」を宣言し、《ドラギリアス》の二倍能力はその火を燃やしていくこととなる。

2.「伝説・アドレナリン爆発」


さて、上のドラギリアス爆発で二倍能力を増やすこと自体できたのだが、これだけではクリーチャー達の能力はたったの2^59倍(後から出すレプトン以外の通常クリーチャー38体+超次元&ドラグハートの8体+GR12体+ドルマゲドン=59体)にしかならないので、これだと夢の、わけわかんない数字クラスまでたどり着くことはできない。

そこで、我々が思いついたのは「タップできる数を増やしてダイナモの譲渡チャンスそのものを増やそう!」というものだった。

現時点で、有限回「タップできる」クリーチャーである《伝説の決闘者》
さらに、「自分がタップしたとき、自分のドラゴンを全てアンタップする」《真実の皇帝 アドレナリン・マックス》
こちらを使ってダイナモ譲渡を効率よく行えば、一人が寝たら全員起き、さらに本人は三度寝するという挙動を行える。

ちょうどここで触れておいた方がよいので、このデッキのクリーチャー同士の関係について記す。
ダイナモ」の特性上、最終的には各クリーチャーがそれぞれ持っている能力を全員が保有していることになっている。
《純潔の信者 パーフェクト・リリィ》を入れているのはこのためである。
また《竜のフレアエッグ》で攻撃できないというデメリットは《撃滅の覚醒者キング・オブ・ギャラクシー》《天命王 エバーラスト》 でケアしている。

本題に戻ろう。
さてこの複数タップによって何が起こるかというと
・A(アドレナリン・決闘者能力持ち、二倍能力を1個所持)がB(未所持)にダイナモを譲渡
・初回アンタップによりA→Bにもう1回譲渡、3回目のタップも同様に行う。
・B(アド・決闘所持、二倍能力を3個所持)がAにダイナモを譲渡
・BがタップしたことによりAがアンタップ
・BがそのままAに残りの二回タップでダイナモ譲渡
・アンタップしているAがBにダイナモ譲渡

こういう風に、かなり複雑になるが半ば鼠算式に二倍能力が増えていくことになる。
ちなみに上の挙動だと締めて二倍能力が29個まで増殖している。余裕の速さだ。馬力が違う。

こういった挙動を59体行うことによって、二倍能力を爆発させていくというのが「伝説・アドレナリン爆発」である
今回の企画で演算していただいたαrufα氏が「計算の9割がこれだった」と言わしめたほど、実に複雑かつ難解なメカニズムであった。

さて、ここまでは今まで我々パワーチームが既に通り過ぎていた道である。

次の段階からは我々の未踏の世界であったのだ。

3.「名も無き爆発」

検証における4番目の手順「特定のクリーチャー群に優先的にダイナモを譲渡する形で、全てのクリーチャーに最大効率でダイナモを分け合う。」
このクリーチャー群のうちに《名も無き神人類》が入っている


では、この《名も無き神人類》になぜダイナモを優先的に巻き込むのか

答えは、次の手順である「マナからレプトンを出す際に、中央G・リンク360を宣言する。」というところにある。

中央G・リンク360とはこういう能力だ。

(このクリーチャーまたは自分の他のゴッドをバトルゾーンに出す時、クリーチャーの名前をひとつ選ぶ。このクリーチャーは、このようにして以前選んだ名前のかわりに、新たに選んだ名前を、カードに書かれている名前に加えて持つ。その後、自分のゴッド1体からカードを1枚リンクを外す。その後、このカードを、好きな数のリンク可能なカードとリンクしてもよい)

つまり、全てのクリーチャーが呼応し、
リンクして剥がしてまた別のクリーチャーがリンクして剥がして……を繰り返すのだが、

この「リンクを剥がす」という挙動がキモなのである。

なんと、デュエル・マスターズの「G・リンク」の効果、リンク中に付与効果を持ち、その上でリンクを外されたらお互いがその付与効果とパワーの増減の影響を引き継ぐ。 という裁定が入っている。

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これを利用し、
ダイナモで付与されている効果を増やすことにより、二倍効果やら後述する《ゾルゲ》《ブインビー》《イカズチ》《ペガサ.Star》もついでに増やしていくのだ。

レプトンマリオ64のケツワープ並にバトルゾーンを暴れ回っている間に、各々の付与されたテキスト数はとんでもない事になっているという訳である。


4.「ゾルゲ・ブインビー爆発」

さて、今回最後にして、《アアルカイト 〈ペガサ.Star〉》を入れるきっかけとなったこの「ゾルゲ・ブインビー爆発」

当初は《空域の守護者 ブインビー》は採用されておらず、

・複数ある《アアルカイト》の攻撃時能力1つ目を使う。
・《偽りの名 ゾルゲ》で任意のクリーチャー同士をバトルさせる。
・バトルが始まるのでダイナモ能力が発動。AからBへ…という譲渡がもう1回始まる
・全て処理したあとバトルし、《ゾルゲ》の1回目の処理を終了。2回目の《ゾルゲ》のバトル効果を誘発
・持っている《ゾルゲ》の効果を全て使い切ったところで《聖霊イカズチ》の効果を処理。自軍を全アンタップ。
・《アアルカイト》2つ目の攻撃時能力を使う。

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と言った具合だった。これだけでも十分に二倍能力は増えていくのであるが、
《空域の守護者 ブインビー》というカードが、このメカニズムをさらに増幅させたのである。

つまり、こうである。

・複数ある《アアルカイト》の攻撃時能力1つ目を使う。
・《偽りの名 ゾルゲ》で任意のクリーチャーとサイキックであるクリーチャーをバトルさせる。
・バトルが始まるのでダイナモ能力が発動。AからBへ…という譲渡がもう1回始まる。
・《空域の守護者 ブインビー》の能力が発動。ダイナモのタップの後に、「サイキッククリーチャーとバトルする時、アンタップ」する能力を使い、バトルしているクリーチャーをアンタップ、ダイナモでタップ、能力でアンタップ……を繰り返す。
・全て処理したあとバトルし、《ゾルゲ》の1回目の処理を終了。2回目の《ゾルゲ》のバトル効果を誘発。
・持っている《ゾルゲ》の効果を全て使い切ったところで《聖霊イカズチ》の効果を処理。自軍を全アンタップ。
・《アアルカイト》2つ目の攻撃時能力を使う。

ちなみに、動画を作って頂くにあたって帽子氏にこのチャートを説明したところ、編集の疲労も相まって氏は犬になってしまっていた。
誰だってそーなる。俺だってそーなる。

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つまり、ダイナモの「バトルが始まる時」とブインビーの効果である「バトルする時」のタイミングが同時に解決できるため、ブインビーの効果とダイナモの効果を複数持っていれば上のような挙動ができ、バトルするクリーチャーが痙攣するのだ。


これによって、四つの爆発を踏まえて能力の数と累積されたパワーが圧倒的に増え、結果的にパワーが10↑↑↑↑(10^10^71)になる、というわけである。

 

■終わりに


如何だっただろうか。
この解説記事を読み、仕組みを理解していただければ幸いである。

 

 

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